始まりはバンド、続けるもバンド|ユウ from チリヌルヲワカ

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記念すべきインタビュー第1回目はチリヌルヲワカで活動中のユウさん。ユウさんの作る音楽との出会いは、私がまだ学生だった10年以上前に遡る。ユウさんの音楽はあの頃からずっとブレていない。それは実際お話を伺うことで確信に変わった。


自分の作った曲を待ってくれている人がいる、それが一番のモチベーション。

ー そもそもなぜものづくり(音楽)を始められたんですか?

中学校のときに聴いた「THE BOOM」とうバンドに強い衝撃を受けて、そこではじめて音楽ってすごいなって思ったんです。それでバンドというものに憧れを抱いたのがきっかけで。音楽ってこんなに感動するんだと思って。漠然とどんな形でもいいから私もこんな風にバンドをやりたいってなったんです。夢がそこで決まりましたね。

ー なんでそんなにバンドが良かったんですか?

うーん、当時はよくわかってなかったんですけど、ギターもかっこいいし「バンドメンバーです!」みたいにみんなで並んでいる姿もよくて、チームでやってる感みたいな。バンド名があって、それに所属しているということがもう憧れだったというか。

ー ユウさんはギターをずっと弾かれてますけど、ギターへのこだわりはあったんですか?

こだわりは特になかったんですけど、橘いずみ(現:榊いずみ)さんていうシンガーソングライターの方が、ギター弾きながら唄ってる姿がすごいかっこよくて、その影響が結構あったと思います。バトミントンのラケットとかでよく弾く真似してたんです(笑)あんな感じでやってみたいなと思って。

ー 「かっこいいからやりたい!」という見た目の部分も結構関係してるんですね。

そうですね。とにかくミュージシャンという職業に憧れてました。

ー 実際ミュージシャンになられて、どう思われました?

本当に夢がかなった!という気持ちがすごく強かったんですけど、最初は何をするのも楽しかったです。インタビュー受けたりすることも憧れてたし。自分の発言が雑誌の見出しになって、なんかすごいこと言ったように見えるじゃないですか(笑)その時に、ホントに自分の夢が叶ったんだという実感はありました。

ー 夢叶った!と思っちゃうと、そこがピークでそこから気持ちが下がってしまう印象があるんですが。

私も、夢が叶った時が自分のピークだと思ってたし、叶った瞬間に死んでもいいくらいに考えてたんですよ(笑)でも実際は、怒涛のように仕事がたくさんあって、そんなに考えたり浸ってる余裕がなかったんですよね。ただ、自分が思い描いていたような『かっこいい自分』になれているという自信はなかったです。

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こだわりが強い分、苦労もする。

ー 音楽を作るよりもライブの方がお客さんの反応が直接わかると思うのですが、ライブの方が楽しいって感じられますか?

時期によって違いますね。レコーディングして曲作りする時が一番楽しいと思えた時期もあったし、でもそれは、だんだん大変な作業に思えてきて、苦しみが生まれてきて。そうなると、やっぱりライブが一番発散できるし、お客さんの顔が見えて反応が直接わかるから、その時に「頑張った甲斐あったな!」って思えますね。

ー やっぱり、曲を産みだす苦しみはあるんですか?

作ると反省もするから、年を追うごとにだんだん増えていって、反省を生かさなきゃと思うと、どんどん自分を追い詰めていきがちになります。次はもっと良くしなきゃとハードルが上がっていく感じ。でも、ライブでお客さんの顔見ると「やめられないなぁ、これは!」っていっつも思っちゃいます(笑)

ー プレッシャーを跳ね除けられるほどのものがライブにはあるんですね。曲を作る際には、コンセプトは決められてますか?

コンセプトを設けて曲作りしたことはなくて。いっつもないんですよ(笑)だから、できた曲をアルバムにするというのがやり方としてずっとあります。作った曲の中から、バラードがあった方がいいなとか、激しい曲をもっと作ろうとか、そうやってバランスを取って1枚を完成させることが基本ですね。

ー 歌詞はどう産み出されてるんですか?

自分は詩人ではなく作曲家っていう感覚の方が強いので、言葉が溢れ出してくるというより、絞り出しているという意識が強いです。

ー だからと言って、別に歌詞にこだわりがないというわけもないですよね?歌詞に出てくる、「きみ」っていう言葉が漢字だったり、カタカナだったり、ひらがなだったりしてるので、文字の並びとかにもこだわりがあるのかなと思ったんですけど。

見た目の部分はこだわってしまいますね。歌詞だけ読んでも楽しめるようにしたいというこだわりは結構あるかも。意味はあまりないんですけど、見た感じしっくりくる方をチョイスしてます。言葉遊びも歌詞に入れてて、歌詞を読まないとわかんないようにするのが好きなんですよ。だから、漢字の当て字もすごい多かったりするし。そういう遊びを歌詞ではやりたいっていうこだわりは結構ありますね。でも、使いたくない言葉とか好きじゃない言葉とかいっぱいあるし、そう意味ではこだわりが強すぎて、かなり苦労はします(笑)なかなか納得いかないから。

ー 他の方にお願いすることは考えられたりしないんですか?

んー、それはちょっと今は考えられないですね。自分が唄うなら自分で書いた歌詞がいいし。

ー 曲を作られる際に、自分らしさみたいなことを意識されてますか?

説明しづらいんですけど、これは自分ぽくないとか、こういう曲は唄いたくないと思うものはボツにしますね。無意識に自分の中でチョイスしてるんでしょうね。ライブで映えそうな曲で、唄ってる画が想像がつけば、よしとされている気がするんですよ、多分自分の中で。だからライブで唄いたいと思えるかどうかかなぁ。

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自分の歌声に合ってる歌を唄わないと、自分が活かされないなと思う

ー 長く同じことをやられてる中で、変わらないものやコアになってるものってありますか?これは曲げたくない!もしくは、このバンドにしかないな!というものがあれば教えてください。

なんかこれって、今となっては個性だなと思うんですけど、あんまり上手になりたくないというか「パフォーマンスが上手だね」という感じになりたくないっていうのがあるんですよ、メンバー三人とも。無骨な感じが好きで、それをあえて演出してるんじゃないかって思う時がありますね。MCもいつもとっちらかってしまうし。MCがすごいまとまってて、綺麗に上手にやったねっていうライブをしたくないんですよね。そこかなぁ。

ー 意識的に無骨にしてるということですね。

多分そうだと思うんですよね。上手にできない自分をよしとしていて。上手に綺麗にやりたくないってところは、ある意味こだわりなんじゃないかなって思ってます。

ー あんまり練習をしないみたいなことですか?同じ曲を何度も弾かない、みたいな(笑)

演奏はもちろん頑張りますけど、それ以外のところは曖昧なままにしておくというか、前もって打ち合わせをせず、出たとこ勝負でやるみたいなのは結構あります。

ー それってお客さんの反応が気になりませんか?どうなるのかわからない分。

なんかもう、察してくれ!みたいな(笑)いつものお客さんはそれを察してくれてるんですけど、そうじゃない初めて見た人でも、それが逆に面白いなって思って欲しいんです。「普通じゃないね」って。何か思って欲しいんですよね。なんであの人はあんなに変な喋り方してんだろうとかでも(笑)毎回普通には終わりたくないんですよ。

ー それはすごいこだわりですね(笑)若干演じていることもあるってことですよね、そのために。

自分でもわかんないんですけど、あえてそうしてしまっていることはあるんじゃないかなって思います、注目を引きたくて。

ー 以前一度ソロもやられたと思うんですけど、またバンドに戻った理由はあるんですか?

ソロも、誘われたから始まった形だったんですけど、自分の主張を全部通せるっていうのが初めてで。ただ正直、ちょっと物足りなさを感じてしまって。すごいミュージシャンの方々が協力してくれて、すごい贅沢なアルバムができたんですけど、やっぱりバンドが楽しいって思ったんですよ、その時に。バンドメンバーの意見を反映して「ドラムは任せます」とか、ある程度人に委ねるってことが好きなのかなと。そういうことの方が広がるなと思いました。自分で全部思い通りにやったら、すっごい狭く感じでしまったんですよね。みんなの屈託のない意見を聞いて広がるのがバンドなんだなって。それでやったのがチリヌルヲワカで、やっぱりこれだなと思いました。

ー そういう気づきからバンドに戻られたんですね。前から和を感じるなと思ってたんですが、今もバンド名からして和ですし、和を意識されていたりしますか?日本人だからってことも関係するのかなとか勝手に思ってるんですが。

日本人だからという意識はまず全くなくて、漠然とですけど和の感じが自分に合ってると思ってるんだと思うんですよね。ちょっと演歌調だったり歌謡曲っぽいのが、自分のボーカルとして一番しっくりくるので。

ー 好きってことではないんですね。

そうですね、別に和テイストのものが好きなわけじゃないし。自分に合ってるなって思って。客観的にみた時に、そういうのを唄ってる自分は似合ってるような気がして、それで始めたのが続いてる感じです。

ー  主観的な見方と客観的な見方が違うから、自分の中で違和感が生まれたりはしませんか?

嫌いだったらさすがにやってないと思うし、そういうのをやっている自分が好きなんだと思います。自分の歌声に合ってる歌を唄わないと、自分が活かされないなと思っていて。「こういうのやりたい」というのよりも、「自分の声と唄い方に合うもの」を優先して考えてますね。

ー かなり客観的にみられてるってことなんですね。それが好きなことだから楽しくやれていると。

そうですね。それでいて、自分がいいと思えることをやれてるから。自分が違うボーカルスタイルで、もっと声が違ったら、別の音楽をやってた可能性はあると思います。もし男性だったら、こんな歌を唄いたいっていうのもあるし。だけど、諦めてるのもいっぱいある、無理だってわかるから。

ー やってみよう!ではなく、諦めようと?

もう無理でしょ!って判断してやらないです、そういうのは(笑)

ー そこに辛さはないんですか(笑)

やー、だって絶対うまくいかないのがわかるから、かっこ悪い思いするくらいなら、やらない方がいいです。

<ワンマンツアー「チリヌルヲワカ堂々巡り2017」>
2017 年 11 月 19 日(日)札幌 COLONY  開場 17:00/開演 17:30
2017 年 11 月 25 日(土)名古屋 CLUB UPSET  開場 17:30/開演 18:00
2017 年 11 月 26 日(日)梅田 Shangri-La  開場 17:00/開演 17:30
2017 年 12 月2日(土)東京キネマ倶楽部  開場 16:45/開演 17:30

一般チケット発売日:2017年10月21日(土)
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チリヌルヲワカ

ユウ(G,Vo)
阿部耕作(Dr)

イワイエイキチ(B)

2005年、当時”GO!GO!7188″に在籍中のユウ(中島優美)を中心に結成。約4年間の活動休止を経て2010年にギター&ヴォーカルのユウ、元ザ・コレクターズのメンバーでもあり名実ともに知られるドラマー・阿部耕作、トリッキーなプレイで多数のアーティストとのセッションでも名を馳せるベーシスト・イワイエイキチ、気鋭のギタリスト・坂本夏樹の4人で活動再開するも、2016年1月、坂本夏樹が脱退。数々のCDリリースとライブ活動を展開し、TVゲームPS3アトリエシリーズ、テレビアニメ『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』への楽曲提供など幅広く活動。
http://www.chirinuruwowaka.jp/

Mana Ohtake